歯を多く失ってしまった場合、昔なら「入れ歯にするしかない」と言われていた時代がありました。しかし、現代の歯科治療では「なるべく自然に」「しっかり噛めるように」「見た目も美しく」といった患者さんの希望に、より高いレベルで応えることが可能になっています。
調布歯科・矯正歯科では、そうした方のために、片あごに7本のインプラントを使って12本分の歯を回復させるという、現実的かつ予後の安定性に優れた治療法をご提案しています。ここでは、その治療設計の背景や考え方について、患者さんにもわかりやすくご紹介します。
多くの歯を失ってしまった方にとっての選択肢
歯を1~2本失ったとき、通常はブリッジや1本ずつのインプラントで対応可能です。しかし、5本以上の歯が欠損している場合、特に片顎全体にわたって歯がない場合は、「どれだけインプラントを入れればよいのか」という疑問を持たれる方が多くなります。
すべての歯にインプラントを入れなければいけないと思われがちですが、実際には適切に位置と角度を設計すれば、7本のインプラントで12本分の歯を支えることが可能です。
片あごに7本──その配置と考え方
この治療法では、前歯部に3本、左右奥歯の部位にそれぞれ2本ずつ、合計7本のインプラントを埋入します。これらを3ユニット(前歯ユニット・左右臼歯ユニット)に分けて補綴を行うことで、噛み合わせの力を効率よく分散させる設計としています。
前歯部(3本)
前歯は見た目の美しさだけでなく、発音や表情に大きく関与する部位です。力がかかりすぎないようバランスを整え、自然な歯並びと調和した補綴設計にしています。
奥歯(左右に2本ずつ)
臼歯部は噛む力が強くかかるため、インプラントの本数を分散し、負担の集中を避けることが重要です。左右バランスの取れた設計により、咀嚼機能の安定を実現します。
なぜ3ユニットに分けるのか?
1本のインプラントの上に直接歯を1本ずつ作るのではなく、3つのブロックに分けて補綴物(被せ物)を設計することで、将来的なトラブルにも柔軟に対応できます。
- 修理が必要になった場合、全体を外すことなく部分的に対応できる
- 噛み合わせの微調整がしやすい
- 加齢や骨の変化に合わせて部分的な調整・修正が可能
つまり、**「しっかり噛める」だけでなく「長く安定して使える」**という視点から設計されています。
治療の流れと所要期間
- 精密診査とカウンセリング
- 口腔内の診査・CT撮影・かみ合わせ・骨量の確認などを行います。
- 検査結果をもとに治療計画を立て、メリット・リスクを含めてしっかりご説明します。
- インプラント埋入手術
- 麻酔下で7本のインプラントを埋入します。必要に応じて骨造成(GBR)も同時に行います。
- 調布歯科・矯正歯科では、歯科麻酔科医による静脈内鎮静法も併用して、緊張や不安の強い方でもリラックスして治療が受けられる環境を整えています。
- 治癒期間(インテグレーション期間)
- インプラントが骨としっかり結合するまで、約3〜6ヶ月間の治癒期間を設けます。
- この間は仮歯を使用して生活していただきます。
- 補綴物の装着
- インプラントの結合が確認できた段階で、最終的なセラミック補綴物を装着します。
- 見た目の自然さと機能性を兼ね備えた設計で、まるで自分の歯のような仕上がりを実現します。
治療費用と保険適用の有無
この治療は自由診療となります。インプラント1本あたりの費用に加えて、補綴物や手術管理費、CT撮影などの諸費用が含まれます。
費用の目安(調布歯科・矯正歯科の場合)
- インプラント1本:約40〜50万円
- 補綴1ユニット(3〜5歯分):約50〜80万円
- 全体での治療費用:380万円~程度(症例により変動あり)
当院では分医療ローンの対応も可能です。事前にカウンセリングでご不安な点は丁寧にご説明します。
なぜ「入れ歯にしたくない方」にこの治療が向いているのか?
入れ歯は保険でも作成可能で、初期費用も抑えられます。しかしながら、
- 装着時の違和感が強い
- 食べ物の温度や味を感じにくくなる
- 笑ったときにバネが見える
- 噛む力が天然の歯の30〜40%ほどに落ちる
こうした制限に悩まれている方が非常に多いのも事実です。
一方で、7本のインプラントを用いた設計では、
- 「しっかり噛める」
- 「違和感が少ない」
- 「見た目が自然」
という3つの大きなメリットがあります。
そして何より、「入れ歯にしたくない」という気持ちを大切にした設計であるという点が、この治療の本質です。
調布歯科・矯正歯科で大切にしていること
当院では、単にインプラントを入れて歯を補うだけでなく、「どう生きるか」「どう食べたいか」といった患者さん一人ひとりのライフスタイルに合わせた治療提案を重視しています。
また、咬合(噛み合わせ)設計や、将来的な骨吸収を見据えた予後の見立て、補綴物の素材や形状の微調整など、補綴の専門医を含むチーム体制で治療にあたることが、私たちの強みです。
最後に──「もう失いたくない」と思ったときが治療のスタート
たった7本のインプラントで、12本分の歯を支える設計は、非常に精密な治療です。しかし、それは決して特別な人だけの選択肢ではありません。
「これ以上歯を失いたくない」「入れ歯にはもうしたくない」「しっかり噛んで食事を楽しみたい」
そう思ったときが、私たちとの新しい一歩の始まりです。
調布歯科・矯正歯科では、インプラント治療がはじめての方でも安心できる診療体制とわかりやすい説明を心がけております。
まずはご相談からでもかまいません。あなたにとっての“快適なこれから”を一緒に考えていきましょう。
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